試練に似た何か
1
30歳代前半まで、我が老母の存在は我が人生に与えられた試練だと思っていたんだが、厄年を過ぎても老母と派手に喧嘩してしまうような情けない中年に自分がなるとは想像していなかった。
せめて自営業でなければなあ、とか、色々思うんだが。
2
ときどき、ひとから「頭がいい」と評価されるんだが、そのことが我が人生にとって何も益になっていないのが残念だ。
知力を振り絞るような環境が自分にひょっとしたら適していたのかもしれないなあ、とか、時々思うんだが、全く脳味噌を使わない生活を強いられるのはどういうことなんだろうか。脳味噌を使わないことを強いられるのは脳味噌が勝手に働くタイプにとってはすげえしんどいんだが、せめてそれに共感してくれる人がいてほしいとか願う。
そういうことを願っていたから、漫画家になりたいとかなり長い期間願い、そして短い期間だけれどエロ漫画家をしていた。私の生活圏には、マンガよりも文化的なものが存在していなかった。
まあ最近は脳味噌が老化してきたから、知力を振り絞るような環境が自分に適していたのかもしれないなんて思うことも少なくなってきたけど。あとたった15年で還暦だしね。そろそろ孫ができてもおかしくない年齢なんだよな。小中学時代同級だった糞ヤンキーは家庭に恵まれそろそろ孫を得る。妹を苛めていた村で一番の糞餓鬼娘はすげえいいところに嫁に行った。人生は平等でも公平でもないようだ。
ウチの田舎では脳味噌を使う機会がないから、「頭がいい」という言葉と「無能力者」はほぼ同義だ。地元に知り合いが全然いないので、せめて自分の親戚を把握しておこうと、母方の血縁を確認した。その際繰り返し出てくる評価がそれだった。
3
老母の友人によると、幼少期の私に老母が依存していたことを新興宗教内の集会で老母が語っていたそうだ。それは一種の児童虐待なのですよ、と、老母の友人に伝えたが、伝わっているだろうか。田舎では、何も人に伝わらない。心情が伝わることがほとんどない。共感を示してくれる誰かがいればそれで終了なたいしたことのないことなのに、その誰かが不在で誰ひとり共感を示さない環境というのは苦痛だ。
伝える内容自体よりも伝え方ばかりを特化して訓練してしまったのは、こういうことによるんだろうな、とか思う。
田舎の生活は不愉快と孤独とどうつきあうかで生活の9割を消耗する。
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