タバコの高額化とタスポと、児童ポルノ法
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ウチは昔からタバコを商品として扱っている。タバコの売り上げのうち小売店に入るのは1割だけで、410円のタバコを10個売って得られるのがやっと410円という、それだけ見ると全然タバコの商売はおいしくない。
とはいえ、タバコの販売というのは許可制になっていて、昔はその許可をとるのが今よりずっと難しかった。タバコの需要も昔は今よりずっとあった。タバコを扱っている店にはタバコを目的に人は集まり、そのついでに他のものも売れる、ということでタバコの販売権は大きい権利だと言えた。
タスポになってから、めっきりタバコを買う人は減った。ウチは手売りをする手間が惜しいので、昔から自販機任せだ。最近はあんまりに売れないから販売権を捨てようかとも家族会議した。タスポになってから廃業したタバコ屋はずいぶんと多いそうだ。そのため新品のタバコ自動販売機がわりと市場に回り、ウチの自販機はそれで購入した。
自分自身もタスポは作っていないから、タスポを作らない人たちの気持ちは判る。
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タバコが高額になり、タスポというハードルによって、買いにくい・売りにくい商品になった大きい原因の一つは、外圧だそうだ。
「日本では喫煙に対して何の制約もないではないか」という外圧に屈して、タバコが高額化し、タスポが作られたのだそうだ。
「児童ポルノ法」も図式は全く同じで、「日本では『児童ポルノ』に対して何の制約もないではないか」という外圧が、児童ポルノ法改定の大きい要因となっている。
禁煙運動も表現規制運動もアメリカのキリスト教原理主義的発想によるので、言うたら英米系の反動右翼層といいますか、そういう人々の声が外交政策化して日本に圧力となっているようであります。
我々の表現規制反対の動きも、世界の政策として影響を与えることが、必要といえるかもしれませんね。
ところでバチカン市国にもイタリアにも灰皿はたくさんあったから、カトリックはそれほど禁煙運動には熱心ではないみたいですし、イタリア人のほとんどは年に2回しか教会に行かないそうですから、盆と大晦日だけ寺に行く日本人の仏教への信仰心とイタリア人の信仰心は似たようなものだそうであります。厄介なのはアメリカの原理主義者なんだなあ、と思う。欧米のリベラル層と広い連帯を模索するというのが我々の広い意味での世界戦略なんだろうなあ、とか思う。
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タスポ購入を多くの人が嫌う理由は
http://d.hatena.ne.jp/eyes_ubiquitous/20090726/1248596199
2009年7月26日 02時08分成人識別カード「タスポ」と対応型のたばこ自動販売機
たばこ自動販売機の成人識別カード「タスポ」を発行する日本たばこ協会(東京)が、特定の個人が自販機を利用した日時や場所などの履歴情報を検察当局に任意で提供していたことが25日、関係者の話や内部資料で分かった。行方の分からなかった罰金未納者の所在地特定につながったケースもあった。
クレジットカードや携帯電話の使用履歴はこれまでも捜査当局に使われてきたが、タスポ情報の利用が明らかになるのは初めてとみられる。
刑事訴訟法に基づく照会に回答した形となっているが、タスポの利用者は通常、想定していない事態だけに、個人情報保護の観点から「どんな情報を第三者に提供するのか、本人に明らかにすべきではないか」と、疑問の声も出ている。
日本たばこ協会は、共同通信の取材に事実関係を認め、「法に基づく要請には必要に応じて渡さざるを得ない。情報提供については会員規約で同意を得ていると認識している」と説明している。
関係者の話などによると、協会は求められた個人の生年月日や住所、電話番号、カード発行日などのほか、たばこ購入の日時や利用した自販機の所在地を一覧表にして提供。免許証など顔写真付き身分証明書の写しが添付された申込書のコピーを渡した事例もあった。
(共同)
そのうちエロ本もエロ本購入許可カードで記録されながらでなくちゃ買えなくなって、購入情報が警察にダダ漏れになって、そのダダ漏れた情報が政治スキャンダルとか色々活用される、そんな感じになるかもしれないね。
ところで、一部のタバコの自動販売機はタスポがなくても免許証で購入できるそうですが、つまり警察が情報を集めることができればいい、ということですか、と、たいへんに不満に感じる次第。保険証で購入できるんだったら納得するんだが。これも厚生省管轄にすべきだと思う。