カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

警察天下り先としての武富士

以下、書評の引用。

武富士対山口組―激突する二つの「最強組織」

武富士対山口組―激突する二つの「最強組織」

 について。

http://miyajee.e-city.tv/takefujitaiyamagutigumi.html
武富士山口組 激突する二つの「最強組織」
短評 サラ金の「エスタブリッシュメント武富士暴力団とのすさまじい癒着ぶりは良く分かる。だが、「用心棒」として雇われた元警察官僚のやりたい放題の方がよほど恐ろしい。
 平成8年に株式上場を予定していたサラ金最大手の武富士にとって、最大の難問はファミリー企業の問題であった。武富士は資金調達の手段として、ファミリー企業で保有していた土地や株を担保に金融機関から借り入れ、それを武富士に貸すという手法をとってきた。しかし、ファミリー企業が有する土地や株式はバブル期に入手したものも多く、不良債権化(その代表が京都の崇仁地区の8万坪の土地)しているものも多かった。ファミリー企業に対して3000億円もの債務保証をしていた武富士にとって、解決をしなければ店頭公開が危うくなると考えられていた。そのために京都の地上げ案件などの解決に暴力団に依頼を使ったりした。
 そもそも武富士の武井社長自身が若い時には不良グループのリーダーで、腕に刺青を入れていたりもしたというが、武富士を築くにあたっても総会屋、右翼団体暴力団、ブラックジャーナリストなどを利用してきていることから、店頭公開に当って各組織が様々な口実で攻撃をしかけてきた。
 その解決に武井は渉外部長の藤川を使って山口組系の後藤組に処理を依頼し、中止させたのだ。ただし、武井は別の暴力団にも対策を依頼したことから話がもつれ、武井は藤川に対策を依頼、藤川は組関係者との話をまとめる。ところが、武井は後藤組に対して支払いを約束した100億円(後に30億円に減額)を支払わず、支払いを求め裁判をおこされてしまうのだ。さらに武井は藤井に対しても約束した報酬を支払わず、これまた訴訟を提起されてしまう。
 で、前者は訴訟取り下げとなるが、後者については最高裁まで争われた結果、藤井の言い分を認め武富士に4億円の賠償を命じた。つまり裁判所も武富士と広域暴力団との関係を全面的に認めたのだ。(また、武井会長はジャーナリストの個人事務所を盗聴していたとして逮捕された)
<感想>
 こんな真っ黒な会社の株式上場を認めたことや、経団連の会員になっていたことが驚きで、業界の調査能力というか自浄能力の無さにあきれる。しかし、私が驚くのは闇の紳士の話ではない。
 武富士には元警視総監の福田勝一が顧問をしていたのだが、武富士の顧客リスト流出事件では警視庁に乗り込み、関係者の逮捕を強硬に求めたのだ。しかもその際に背広の仕立券やビール券を持参している。(で実際に捜査が行われ、関係者が逮捕、起訴され、有罪になっている。)渉外部長の藤川が週刊現代の取材に対してこのように答えたのだ。
しかし、これに対して武富士名誉毀損の損害賠償を求めて裁判を起こしたのだが敗訴した。判決では福田に対して藤川が背広仕立券とビール券を渡したことを認め、武富士の請求を棄却したのだ。私としてはこちらの方がよほど驚きだ。
つまりブラックな企業が警察幹部OBを用心棒として雇い、そのOBは後輩達ににらみを利かせ、自分の都合にあわせて捜査を強要するというスタイルだ。法の執行活動がこんな恣意的になされているということをどれほどの人が知っているのだろうか。