奇縁「喜志の舞」@『陰陽師』
安倍は安倍でも安倍晴明のほうを調べていたら、変なのを拾った。奇縁だなあ、と思う。
安倍の家系は古く、しかも多氏族にわたっていた。〔略〕海を利用して交易に乗りだした阿倍比羅夫(あべの・ひらふ)のような有力な人物が目立つ。(36p)
〔略〕河内を本拠としたときから、安倍家は朝鮮の人々とのつながりを深めた。(37p)
歌舞伎を含めた舞に関しても〔略〕たとえば古いところで、高麗舞の一つに、喜志(きし)の舞という舞楽がある。この舞は、天皇即位のとき天冑(てんちゅう)地府祭にあたって安倍家が担当して舞うことになっている。いわば安倍家所有の舞である。
この喜志の舞を日本に伝えたのは、新羅の喜志一族であった。現在天社土御門神道本庁をあずかっておられる藤田義仁氏の私見によれば、新羅喜志一族の姫が安倍家と婚姻したことで、舞を伝承することになったのではないかといわれる。その姫の候補として考えられる一人は、安倍晴明の母といわれている葛の葉(キツネが正体)である、との見解で、たいへんにおもしろい。(39p)
- 作者: 荒俣宏
- 出版社/メーカー: 集英社
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キシ一族から安倍家へ婚姻したといえば、安倍晋三の母親もそれである。奇縁だなあ、と思う。星野之宣の宗像教授シリーズあたりに出てきそうなアレだ。そういや、岸信介も「昭和の妖怪」だったね。安倍晋三が低能でなかったら安倍晴明みたくなっていたんだろうかとか連想する。安倍晋三周辺情報はしばしばマンガよりマンガっぽい。
連想 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20070224#1172254116