「無縁」と市場
網野善彦 〔略〕市場という場はそこに入ったら物も人もいったんは無縁の状態、つまり誰のものでもなくしてしまう。だから贈与・互酬でじゃなく、商品として物や人の交換ができるわけです。無縁、無所有の状態の中で、初めて商品交換が可能になるということになります。建築・土木工事を請負う勧進上人や借上・土倉などの金融業者の場合も同じで、米や銭を神、仏のもの、つまり誰のものでもない無縁の状態にして、初めて銭や米が資本としての機能を果たしうるし、利息も取れることになります。〔略〕(59p)
- 作者: 網野善彦,鶴見俊輔
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2004/05/11
- メディア: 単行本
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「無縁」は「自由」の日本的展開である。
連想すると、自民党森派は「公」や「国家」を「私物化」する志向を持つ。http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060831#1157019519 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060715#1152898309 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20061219#1166466929自民党森派の「私物化」と自由市場経済は本質的に対立する。その猿芝居振りを適切に言説化する必要があるだろう。