合成洗剤は粉石鹸ではない
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ここ1〜2週くらい、台所に洗濯用合成洗剤の臭いがして、どうも気持ち悪かった。
「粉石鹸に重曹を混ぜると凄くよく食器の汚れが落ちる!」というテレビを老母が見て、それを真似て実践しているのだと老母が自慢する。洗濯用粉末合成洗剤に重曹を混ぜたペーストを作り、それで食器や鍋などを洗っていた。どんぶり3杯くらいの量作ってあった。
合成洗剤と粉石鹸は別物だ、と老母に説明するが、全く通じない。「粉石鹸」とは粉末状洗剤の総称だと老母は理解している。粉末合成洗剤の箱の表示を見せて、「粉石鹸にはここのところに粉石鹸と表示がある。これは粉石鹸ではない」と言って、やっと通じた。
老母は語彙がアバウトで不正確だ。
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老母は語彙が不正確である自覚がないから、そして私に物凄く高い理解力を常に要求するから、実物を示せば間違いが起こりにくい事柄を常に不正確な言葉だけで理解させようとする。無理だっつーねん。老母の話は私にはたいへんわかりにくい。言葉一つ一つの選び方が不正確なので意味を正確に取るのに凄い労力を必要とする。数メートル歩いて実物を示せば誤解なく伝わることをその数メートル歩くのを嫌がって言葉だけで伝えようとするので、こちらには伝わらない。伝わらないというか、より正確に記述すると、何を言っているのか一文ごとに4〜5種類の正解候補の選択肢が発生し、それら複数の選択肢の乗数のうちのどれかを言っているのだろうということは伝わるんだが、そこから正解を発見するのは途方もなく困難で、そんな困難を強いられるのは不当だ。私が異様に国語力だけ高かったのは老母のこの要求にこたえるために自己訓練したからなのだろう。好意的に全力で考えれば7割くらいの確率で正解は出せる。それは私にとって物凄い負担であり、老母との会話が私にとって言語に尽くしがたいストレスになっている理由の一つだ。ある時期から私は理解してあげることを放棄した。
老母は不正確な語彙で生活の用を足しているから、私が言葉を選んで伝えてもこれはこれで老母に全く伝わらない。老母は私にとって最も言葉も心も通じない人物だ。
現在の仕事に関して老母から教わる以上の拷問はあまりない。
東京にいた頃は、老母から電話があるたび、丸一日くらい肩の筋肉が硬直して呼吸が巧くできず、しばしば眠ることができなかった。そんな老母と毎日顔を合わせて生活するのは私には色々無理がある。
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ところで粉石鹸と重曹の組み合わせは私が昨年4月にここへ来た時に実践したものhttp://d.hatena.ne.jp/kamayan/20100426/1272289573なのだが、あれから10ヶ月経って、私の衛生感覚はすっかりこの家の衛生感覚に退化している。この家の衛生感覚になっていると老母の目からも不潔に見えるらしい。なので老母は色々私の世話を焼きたがるが、そのことが私には酷く不愉快というか、なんというか。
お茶を呑んだ。茶は洗濯用合成洗剤の臭いがし、呑むと舌先が痺れるような気がし、呑んだ後、脈拍が明らかに早まった。湯飲み茶碗の濯ぎが相当甘かったのだろう。毒を飲んだようだ。
老母との生活は互いに不幸だ。
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