「老後は田舎に」幻想
「老後は田舎で過ごそう」みたいな幻想を、ここのところテレビとかでよく煽っている。
で、衰亡しかけている自治体によっては「老後は我が地方で」みたいなことも言っている。
相互に巧く合致しているんなら、まあ、別にいいんだけど。税金は都市に納め、福祉は地方から受けるというのが回るのかどうか不安があるけど。
俺の住む「集落」は平均年齢が70歳くらいだから、あと10年すると誰も自動車を運転できなくなり、自動車が運転できないとリアルに自宅で餓死する可能性がある。食料品店まで車で15分かかるから。
山梨県は公共交通機関が貧弱で、特に郡内(富士五湖地方)は公共交通が貧弱で、だから山梨県は世帯当たりの自動車所有数が日本一多いのだが、一昨年まで俺より自動車運転の巧かった我が老父が、脳梗塞による自動車事故以来自動車運転させられないのを観察すると、老後に田舎で生活するのってかなりムリじゃねえの? と思う。
なので俺は老後はできれば都市部の老人ホームで過ごしたいと思うが、都市部の老人ホームの競争率はすげえ高いだろうなあ。統計的に無理だから今のうちに地方へ老人を分散させようとして冒頭の煽りを国レベルでやっているのだろう。
「老後は田舎で過ごそう」幻想の宣伝って、「これからは縛られない自由な生き方、フリーターな生き方がイケている」幻想を煽ることで就職氷河期問題を隠蔽してきたことの再演だと思うんだけど、どうだろうね。