〔書き起こし〕児玉龍彦、4/8「自分の酸素マスクをつけなさい」1
〔書き起こし〕自分で考えいのちを守れ! 新型コロナと闘う その先の未来へ200408
https://www.youtube.com/watch?v=RUrC57UZjYk&feature=youtu.be 書き起こし
〔「デモクラシータイムス」紹介文〕
児玉龍彦先生(内科医、東大先端研がん・代謝プロジェクトリーダー)と金子勝先生にうかがいます。
緊急事態宣言は出されましが、中身は外出の自粛。東京では、すでに病院の中に感染が入り込み、中核病院が崩壊しようとしています。感染の広がり調査し、感染が集中する地域を確定して封じ込めそこに周辺から医療資源を大量に投入する、今こそ正しい感染症対策に立ち戻らなければ、なすすべもなく東京は崩壊します。「大量検査、徹底追跡、隔離徹底」を当初から訴えてきた児玉龍彦先生に現状を聞きます。
新型コロナは、「軽症」に分類されている人でも高熱が長く続き、痛みも強く、消耗しています。その実態を広く共有し、東京の医療資源の有効活用を図るリーダーがまずは必要です。
金子勝先生の緊急経済対策批判とともに、ぜひ。
収録は、2020年4月8日
〔以下書き起こし〕
升味(司会);こんにちは。今回は「新型コロナと闘う その先の世界へ」という新しいシリーズをお送りいたします。
皆さんご存知の通り緊急事態宣言が出ました。テレビで見ると、質問がちょっと面白かったですが、はっきり言って中身がほとんどないんじゃないかと思うほどのものでした。
今日はお客様にあちらから、まず立教大学特任教授の金子勝先生。
それから、ここのところデモクラシータイムスで爆発的人気を博しておられます、児玉龍彦先生。
今日は前半で感染症対策について。この緊急事態宣言の中で感染症対策って言葉が出てきていますが、感染症対策ってこんなもんでいいのかっていうことについて児玉先生にお話を 伺い、後半ちょっと緊急経済対策が全然なってないじゃないかということを金子先生に伺いたいと思います。
ではまず児玉先生。緊急事態宣言が出たわけですけれども、報道を見てましてどうですか?
児玉;これは「慇懃無礼に『何もしない』と言った」、ということです。「我々富裕層はおうちにこもるから、貧乏な人は我々に食事は配達して髪を切りお店は開けてなさい」ということです。
升味;いくつも質問をいただいてるんですけれども、ここに至ったについては、今までやっていた感染症対策はそれなりに上手く行ってたんだけれども追跡できない患者さんがすごく増えてきて、オーバーシュート(感染爆発)になる直前であるということで宣言が出たという理解なんですが、児玉先生これオーバーシュートって本当に起こるんですか?
児玉;オーバーシュート(感染爆発)が起こる可能性がものすごく増してきています。
一番怖いのはですね、「データがない」。世界で一番データが少ない国になってしまいまして、その中で感染が二次三次となっている。
それでその中で、しかももう一方でですね、テレワークとかしきりと言われて、政府とか大学とか大企業がどんどんテレワークと。自発的にやめますよと。
ところが弱者は慇懃に働かされる。強制的に止めさせないから、中小の企業・コンビニ・スーパー・配送業・理髪業は、社会的富裕層のニーズに応じて禁止されないから働きなさい、保証はしませんと。こういうものが出てきた。これではもうオーバーシュートは全く止まらないです。
升味;このコロナウィルスっていうのが、すごく「しつこいウイルス」として特徴を持っていて、はびこっていくとなかなか退治が難しいって先生おっしゃってるんですけど、具体的にはどういうところが?
児玉;賀来〔かく〕先生〔賀来満夫・東北大名誉教授〕という人がいて、その人が「このウイルスはしつこいですよ」と。それから「このウイルスは突然人の体に入って消えるまでかなり長い時間かかりますよ」と。
賀来先生っていうのはですね、こんにち問題になっている、鼻の〔鼻から検体をとる動作〕スワブっていうPCR検査する、あれを臨床検査技師さんやなんかでもできるようにしたという、ずっと前からやっている、そういう方だったんですよ。だから感染症対策の、日本で唯一「ソーシャルデザインの父」と言われてるが、その人が「しつこくて大変だ」と言ってます。
それでそれは何故かっていうとで、コロナウイルスはですね、今まで呼吸器で入るというのと、消化器で入るのというのがあるんですが、その両方で感染しています。それで今回は武漢の食品市場・屋形船・クルーズ船の食事係。かなり食事から入ってる特徴もあると。
升味;なんか私たち、報道を見ていると、「マスクをしましょう」「咳エチケットをしましょう」みたいな、咳をして空中に舞って、それを吸ってしまって肺炎になるって言う印象がすごい強いんですが。そうじゃなく?
児玉;クルーズ船で2週間後に検査をしまして、消毒していたところはみんなウイルスが出ないんですが、居室、人がいた部屋に入って消毒していないところは、2週間経ってもウイルスがいっぱい出てきて。
ですからこの「ヒト・ヒト感染」でのモデルではダメで、「ヒト・モノ・ヒト」という感染ですね。
それからもう一つはですね、このウィルスは非常に細胞に強い親和性を持ってますから、少ない数でも〔人体に?〕残ってるとまた出てくる。
それからもう一つは、このウイルスは免疫の反応を過剰にしたり弱くしたり色々動かすから突然重症化する。
升味;免疫が過剰になるとか、その抑制されるって例えば具体的にはどういう形になるんですか?
児玉;サイトカインストームと言って、いっぺんに重症化するとか、逆に「日和見感染」って言って、いっぺんにいろんな他の感染が動き出すとか。
升味;「日和見感染」は随分昔ですがエイズが最初に流行ったときに言われてました。免疫が弱ってそのちょっとしたことですぐ肺炎になったり炎症を起こしやすくなったり。
児玉;このウイルスでこんな薬が効く、あんな薬が効くってよく出てきますが、ほんとうにウイルス自体に効いているのではない場合もかなりあるかと。
金子;アビガンが効くとか言って…
児玉;アビガンは抗ウイルス剤です。ですからこれは〔効く〕可能性があります。次を出していただけますか。
升味;東京の状況なんですが…
児玉;もうちょっと分かりやすくすると、小池〔百合子〕都知事と大曲氏〔大曲貴夫・国立国際医療研究センター・国際感染症センター長https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/747134/〕のですね、「検査制限」というですね、とんでもない、世界でこんな議論は聞いたことがないものが、日本中のもっととんでもないことは、マスコミが流し続けました。
それで東京は、世界一酷い日本の中で、日本一酷い検査制限をやってきました。
これはですね、「専門家会議」の大曲さんが言ってたのは、感染症外来に患者がいっぱい来たら困ると。感染症外来で待ってる間に伝染るじゃないかと。
ところがですね。日本の医療の中で感染症外来ってのはほんの小さい部分であって。それ以外みんな検査しない格好にしちゃったわけです。だから大曲さん達の自己利害だけ自己中の議論があたかも正論のように感染症の専門家の議論として広められた。検査制限の結果として、今一番東京中に感染を湧き出させているのは、「永寿総合病院」という病院です。
この病院は屋形船とフランス帰国者から、感染者を預かりながら、病院中に感染させまして、それを慶応病院他周りの地域医療に延々とまき散らし続けています。
もう一つ問題は、東京都は一貫して院内感染を隠そうとしてきました。
例えば和歌山であるとか大分は、県知事を中心に、「厚生省の制限なんか問題にしない」と言ってやってきたのに、東京都だけはもう酷い事をやっている。
それで東京都からこの病院の中の感染の実態が明らかになることがほとんどない。ところがほんどないのに研修医が失敗したりすると、研修医がとんでもない奴だという記者会見が起こって被害にあった研修医があたかも罪人であるかのように後ろから鉄砲を打つことをマスコミがみんなしてやっている。
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