〔書き起こし〕児玉龍彦、4/8「自分の酸素マスクをつけなさい」2
https://www.youtube.com/watch?v=RUrC57UZjYk&feature=youtu.be
升味;これあれですよね。慶応病院で研修医の方がたくさん罹患されたのは3月に…
児玉;永寿総合病院というのは院長も呼吸器科の医長も、みんな慶応の人です。そして慶応〔慶応病院〕にいっぱい患者が移る。それで慶応〔慶応病院〕に大感染を持ち込んだ。ところが、永寿の院長は一度も記者会見していない。マスコミが追っかけているのは被害にあった何も知らない若い研修医がみんな悪者として追っかけられている。
この永寿の〔院内感染の〕実態を見ていただくと、ボロボロボロボロ、すごい数です。この内実はマスコミは最近3~4日、全く報道されていない。
それで永寿で断られた患者が今、台東区や東大病院や順天〔順天堂病院〕にわっと来て、たいへんなことになっています。
升味;永寿総合病院というのは地域のかなり大きな病院なんですね。この中で感染者が出ました。先生のお話ですと看護師さんの病欠日数がふだんより多くて変だなっていうような状況になって、感染がわかったんだけれども、全件検査もやってないと。
児玉;検査はやってます。検査でやった結果として、どんどんどんどん、出てきた。
ところがクルーズ船と一緒で、どんどんどんどん出てきたのを、外来を止めたというそれだけで。そこに通ってた人とか、いろんな問題はほとんど明らかになっていない。
升味;先生がおっしゃっていたのは、ここの中〔永寿総合病院〕で感染が拡大していく中で、 系列の慶応病院に患者さんが転院するとか、そういう中で今度は慶応病院に〔感染が〕移っていき…
児玉:永寿で診療外来を突然閉じました。それで他の病院へ行った方が陽性とされている件がある。そうすると永寿から湧き出して来るのが、東京中に行っているということです。
升味;よく言われるのは、医療はもう崩壊してきているのか?〔4月8日時点〕
児玉;基幹病院の崩壊がなぜ起こるかというと、病院の場合は入っている患者さんが感染してるかどうか分からなければ、内部から崩壊します。
それで一つ内部から崩壊した病院があると、今の医療と言うなネットワーク医療ですから、ある意味で言うと、永寿総合病院は地域の検査とかリハビリの病院で、入ってきたのが短期に転院するということを一つの売り物にする、いわゆるDPC〔包括医療費支払い制度〕の中心です。
そうすると〔一般患者を〕どんどん入れてどんどん感染さしてどんどん出したら、大変なことになります。ところが永寿総合病院で、「何科で感染が多かった」とか、「どんなところが問題か」ってのが全くマスコミに出ない。
人数がああやってダラダラ出るだけで、どこの病院にその人たちが行ってしまうかとか〔が報道されない〕。
もう一つは、院内感染が起こると膨大な検査が必要になります。
これは和歌山がどうやって有田済生会を封じ込めたかというと、5人の感染者に対して475人の検査をやりました。大分は大分医療センター24人の感染者に対して612人をやりました。
ところが永寿総合病院みたいに、これはちょっと前の数値なんですが、128人〔感染〕だとか、検査は1000人。慶応だというと、研修医が10何人(この時点で研修医含め15人)とかなると、職員2696人。そうするとこういう病院がみんな外来新患急遽も中止してしまったら、もう日本がめちゃくちゃになってしまう。
升味;そうすると先生、永寿はこう言われている、慶応はちょっとマスコミに取り上げられている、でも本当はもっと他の病院でも同じような問題が起こっている可能性が…
児玉;次のスライド出してください。
一般病院の院内感染を防ぐということが一番大事でして。
一つは地域の開業医さんの外来診療というのが日本の第一線の診療で、普通の皆さんがかかりつけ医で、すごく大事です。
もう一つは基幹病院を守るということです。
ところが専門家会議の話を聞いてると、発熱外来、それからホテル、ECMOの話で、この一番大事な一般病院への対策がゼロ。これではですね、皆さんが熱を出した時にどこへ行ってかかるかということが全くできない。そうすると、唯一の手は、発熱外来より検査に移して、検査が入院前にみんなできるようにするのが一番、リソースの上では、一番現実的です。
金子;病院の体制を分業化した時の、ど真ん中に院内感染を起きている。地域の中核病院、有田済生会病院もそうだけど、大分の国立の医療センターもそうだし、永寿も慶応もそうですよね。そこを守るって事がいかに大事か。そこが逝っちゃうと全部飛び散っちゃうということなんですよ。それを児玉氏は危機感をもって訴えていると思うんですよね。
児玉;そしたら全部抑え込み出来ないかって言うと、世界では「東アジア型」という抑え込みの格好が出ています。
昨日(4月7日)、武漢は77日ぶりに部分解除。まだ居住地ごとの移動制限はありますが、かなり患者数が減ってきたという。
それで、いま世界でやってる対策はどういうのかと言うと、徹底隔離して、感染集積地には医療人材を投入する。千のベッドを10日間でふたつ作ったり、5万4000人の看護師さんや医師を武漢市に投入する。
隔離というのは、感染集積地と感染非集積地を分けて、感染集積地に医療人材を投入してこれを制圧するという格好です。
それから2番目に、それをやるにはもともと膨大検査がないといけない。膨大検査の後で、ビッグデータではないんですね。ビッグデータではなくて、我々プレシジョンメディスン精密医療というんですが…。今、日本の政府がやっているのは、全く関係ない、ただのNTTドコモのデータを見て、誰が何人なんてバカなことをやってますが、こんなのは全く時代遅れ。
今やるのは、感染者が何人いて、感染者がどこを移動して、どこに集まった人が感染したかということ見なくちゃいけないのに。
ですから今の政府のやり方って全部一括、全部何とかって実は何にも細かいことをやっていない。
戦艦大和でやるみたいなもので、飛行機の時代に、ドローンの時代になっているのに、まだ戦艦大和でやっているというようなバカな政府のことばっかりです。
ただこれで制圧できる可能性がないわけではなくて、緊急事態宣言が出される中で愛知がない。これはですね、PCR 検査の4月5日までのを見みますと、東京が一番酷いって言ったのは、発見者の3.6倍しか〔検査を〕やってないけど、愛知県は12.8倍までやってまして。そうすると、福岡なんかはどんどん増えてきちゃうのに、愛知は一定に抑えられている。dからきちんと検査をやれば、和歌山や大分のように抑え込める可能性がまだないわけではない。そこに全力を挙げないといけないわけです。
升味;大量の検査をしなきゃいけないということになるわけですが、巷で言われているのは、PCR検査を増やすべきではないかとか、あるいは、それをすると医療が崩壊するのではないかという意見が出てますけど。
児玉;PCR検査を増やすことができるかというと、簡単です。
升味;そうなんですか?
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