カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

〔書き起こし〕「自粛で東京は救えるか」2

https://www.youtube.com/watch?v=7EtDPtKd4L0 の書き起こし

金子;あの、大学病院はかなりPCR検査機もっているはずでしょう? 研究機関を含めて大学にはかなりあるはずなのに、なぜそれが進まないのかっていう。何が壁なのかっていうことを。

児玉;それはですね、文科省の政策です。文科省はですね、今、大学なんかに 指示を出して、全部閉鎖してオンラインにしなさいって指導しています。
 実はオンラインで大学が機能できるかというと、教育機能なんかはオンラインでもだいたいできますが、できないのは、コロナウィルスに対する科学者を結集する、要するに遺伝子工学であるとか、検査手法であるとか、新しい機械の開発であるとか、情報を駆使してやるというそういうところものがオンラインできません。たとえば色んな情報機械動かしてサーバやなんかそういうところを含めてですね、遺伝子のPCR検査を改良したりとか、抗体の迅速化とかキットの供給だとか、鼻のソワベルなんかもアメリカでは自主採集なんてのが出てますが、そういうのが安全に行えるかだとか、そういう作業を大学で基礎の部分をやんなくてはいけない。

金子;聞いてみると厚労省だけじゃないね。文科省がけっこう大きい。一斉休校をやった時もすげえ曖昧な指示だったし。研究体制も。大学で全くしてないわけ?

児玉;一番問題は、こういう時には、厚労省が叩かれているときは、文科省のお役人は不作為に徹します。〔音声乱れ〕感染症に対して一番向き合わなくてはいけないのは、基礎医学の人たちや、機械開発の人たちでして、陽性と偽陽性、陰性・偽陰性というのを分けていったりというようなオフラインの作業をしなくてはいけません。このオフラインの検査オフラインの治療、そういう作業が今次々とシャットダウンしている。
 今は「レベル3」というのがあって、もうみんなやめなさい、それで「レベル4」になったら「コロナの研究もやめなさい」ってのが、今の萩生田文部科学相から出てきている。

升味;どうしてやめないといけないんですか?

児玉;基本的には今の日本のお役所、厚労省加藤さんの厚労省、それから萩生田さんの文科省もそうなんですが、今までと違うことをやって非難されるよりは、何もやらないで行った方が安全という、そういう、何もやらないで引きこもってしまえば一番安全というのが、今の解釈。

升味;緊急事態宣言を出すというのは普通の時のやり方だと対応できないから緊急事態を宣言するわけですよね。その際には、例えば日常であれば縦割り行政になっているところをとにかく誰か緊急に対応するリーダーを決めて、あれだけの国家の資源を、どれだけ有効に使うかっていうことを、誰かが決めて、もうごちゃごちゃ言うなと、みんなの命を守るためにはこういうシステムにしなきゃいけないんだから、みんな協力してよっていうふうになるのが、本来の緊急事態を宣言する意味だと思うんですけれども。そうはなってないんですか?

児玉;それは専門家委員会の中に結局失敗した人ばっかりがいて、責任を取らない。それで今の遺伝子工学とか情報科学を知っている人がいないせいです。
 一つの例を示しますと、次に検査を何のために増やすかということで、私どもドライブスルー検査というものを提起している。ドライブスルー検査して陽性者がたくさん出てきたらどうするという提案は国からではなく民間から出てきています。驚くべきことに日本財団はコロナウィルス緊急対策で大幅に不足する病床確保に向けて「船の科学館」お台場など2か所に1万床を目指す提案をやっています。
 それで船の科学館みたいな動きは非常に大事でして。ドライブスルー検査をやるとしたら、船の科学館の前で、船の科学館の辺りって駐車場もいっぱいありますし、ここでやって、すぐには結果が出ないんでいろんなとこでやってもいいんですが、もし軽い、自覚症状のない方でしたらまずこちらへ来ていただいて、ここでスクリーニングして、しかも猩々のない方でしたらこちらで2週間過ごしていただくことができて、そういうことが民間から出てきていて、専門家会議や厚生労働省からは出ていない。そしてこういうところを一万床維持するとしたら、自衛隊医官、ボランティア、色んな移動式のX線の写真機やCTの検査施設なども非常に急いで集めないといけないですし。
 こういうところにアビガンの治験やなにか集中する。抗インフル薬のアビガンが有効かもしれないという話が出てきてまして、それを治験するために日本政府が世界へ輸出を始めていますが、なぜそういう治験を希望している人を日本でやれないのか、アビガンは軽傷な方の治療法ですから、ここにそういうことも集中するという専門的なリーダーが必須であり。

升味;この日本財団の試みというのはなたかがリーダーシップをとって医療体制を構築していらっしゃるのですか?

児玉;いや、まだ日本財団がこういうものを作ろうと言い始めて、色んなお金を出します、寄付金を集めます、というのが進んでいる段階であって、国がこういうのを支えるといったリーダーがいないと、さまざまな要請を統合していくというのが一番難しい。

升味;検査に関しては大量にやることが必要だとなってきていると思いますし、NHKの特集なんかを見てもWHOの専門家の方がやっぱり日本はとても少なすぎるというようなことをおっしゃっていて、検査拡大の方向にはもう社会的にそういう要請になっていると思うんですが、その政府の方は全然動いてる気配が先生から見るとないんですか?

児玉;イニシアチブをとって問題を解くのに、今まで検査を抑えて状況が判らなくなってますから、何回やっても2週間先に判るからひたすらクラスター理論でやれということで、今のデータサイエンスのもういっぺん〔聞き取れず〕元に戻って。
 それからもう一つ、今のデータサイエンスで必要なのは、旧式のビッグデータという言い方ではなしに、今は、精密追跡、面倒な言い方をします。
 今日本で、政府が出てくると、GPSやなんかを使ってやると言っても、NTTドコモだとか楽天だとかそういうのを使って、まとまったデータを見るという。
 でも「感染していない人の動き」を見てもしょうがないわけです。
  GPS追跡で世界でやってるのは「感染した人の追跡」です。

金子;彼らの理屈としては、8割接触削減するために「三蜜」とかそういう話、「クラスター」もそうなんですけど、ビッグデータで分析すればなんかさっきのことをやってるように言ってるんだけど。

児玉;これはですね、今回のコロナウィルスの性質を取り違えているんですよ。
 今回のコロナウィルスは最初に武漢の食品市場から始まって、屋形船だとか、クルーズ船も食事係が。いわゆる「接触感染」のルート、要するに一番多いのは消化管から入るやつなんですが、吐物とか便とかにいっぱい出てきます。
 冬の北海道で見られましたように、インフルエンザ型の飛沫やなんかの空気の感染、換気の悪い寒冷地の狭い部屋で起こるという。 両方の感染を持っています。
 ところがこの旧来のインフルエンザ型の感染経路の防止だけでそれをやってしまったという。
 それで今、中国なんかで行われているのは「コロナ GPS追跡」というのを行っています。
 その一例を、マレーシアとかで行われているやり方をやりますと、「活動制限令」というのが出てますが、陽性者は「パンデミック番号」というのを付けます。それからお店や学校や会社なんかは「匿名化番号」というのを付けます。これで集積地を同定して開示する。
 この一人一人が分からないようにして、カルテを預かる医師の責任リーダーをはっきりして、マイナンバーみたいなものと紐付けない。安倍総理でも枝野党首でも陽性になったら匿名化して追跡されますよと。そういう 例外のない追跡をやらなくちゃいけない。
 ここは日本のマスコミに出てきますと、マレーシアでジョギングで日本人逮捕が起こったと。これは外国人への人種差別だとか、こんなのしか出てこない。こんな見当違いなマスコミが出てしまっています。

金子;個人の医療情報がいろんなものにリンクしないように匿名化するっていうことを厳格にやるって事だね。

児玉;それからもう一つはですね。そうは言っても責任者は見られちゃいますから、カルテを預かるということと同じですので、責任者ははっきりしないといけない。

金子;法律的には時限立法みたいなので縛りをかけていくことなんかも大事なんでしょう?

児玉;パンデミック番号をつけて、責任者と、従来のマイナンバーと紐付けしない、というのがとても大事です。
 もう一つ、支援が必要な人たちがいます。これは今から出てくる社会インフラ、社会を支える人の全面支援。おそらくこのあれ〔移動自粛要請〕が3ヶ月以上続くことになりますから、病院、介護、交通機関、食品・生活必需品、ガス・水道・電気、警察消防、低所得者の保護に当たる人、これらの人のための保育園・学童。
 こういうところで一つだけちょっと追加したいのは、抗体検査という。早期の人でPCR 陰性の人がわかる。それからしばらく時間経った人で免疫パスポートという免疫力の指標になる、そういうことがコロナウィルスに対する抗体が出てくるとわかるようになってくる。ですから社会を支える人を支援すると同時に抗体検査を徹底していく必要があると思う。

升味;抗体検査というと、新聞を見ますと、ドイツとかイギリスとかヨーロッパで目標にして進めようとしていて、PCR検査とどう違うんですか?

児玉;抗体検査は血液でできます。血液にはウイルスが入っておりませんので、どこの検査室でもできます。実はですね、武漢ヨーロッパで一番使われているのは、日本製のJSRというビーズです。日本の技術をベースに作られている物が世界で使われて世界中のスタンダードになっています。
JSRのビーズを使って中国のメーカーがこれを機械化して、それが世界中のスタンダードになっている。
それで最初のIGM〔抗体〕というのはまだ早期ですから、これはPCRと併せて検査に使う。IGG〔抗体〕というのが増えてくるとかなり感染を抑える力が出てくる。ただこれはまだ証明されていませんから、研究が必要です。
 ところが大学を閉じてしまっていることで、研究できなくしてしまっています。日本発の技術が世界で使われているのに、日本の文科省ではこういうところが全く応援されていない。むしろ閉鎖するということで妨害されているというのが深刻な事態です。

升味;日本でも抗体検査に取り組んで実現化ようという動きはあるってことですよね?

児玉;以上の四つの課題。もう一度まとめますと、
1;膨大検査で病院を守る
2;ドライブスルー型の検査は船の科学館型の大量収容できる施設の整備と合わせる。
3;GPS 検査の匿名化と個別追跡
4;ライフラインを守る人の支援を非常に強化する
これが四つの課題です。

升味;PCRの検査とともに抗体の検査もして、崩壊の危機に来ている病院をなんとか持ちこたえさせてやっていくしかない。

児玉;もう一つ重要な問題があります。
 昨日、鍾南山先生が世界会議を開催されておりまして、そこで世界中のデータを集めて恐るべき報告をされていまして。私これはですね、大学の研究者を全部動員しないと駄目だと思っています。それはウイルスが進化して、ウイルスの変異のスピードが速くなっていく。それが悪い方向へ進化していまして、実は色んな薬が投与を試みられたりしまして、抗生剤の時もよく言われるんですが、そうすると変位のスピードが速くなります。それで中国型と違うヨーロッパアメリカ型というのが非常に増えている。それでこの第2の波が来ますと、さっき言った PCR 検査という簡易検査で終わんないで、シークエンスという一つずつ遺伝子配列を全部読んでいく、ウイルスを細かく分析することができないといけません。
 それで日本はこの PCR 検査の能力もすごくありますし、シークエンスの能力もものすごくあります。情報科学のサイエンティストもいっぱいます。こういう人たちがみんな閉鎖されてオンラインしかできない、オフラインの実験とか研究ができないというと、これは本当に日本が死んでしまいます。
 そこへ向けての国を挙げた体制を作る。鍾南山のようなリーダーを選んで早く変えないとどうしようもないことになってしまいます。

〔以下、升味と金子の発言略〕
https://www.youtube.com/watch?v=7EtDPtKd4L0