〔書き起こし〕児玉龍彦、4/8「自分の酸素マスクをつけなさい」3
https://www.youtube.com/watch?v=RUrC57UZjYk&feature=youtu.be
児玉; PCR検査、今のコロナの問題は二つありまして。
一つは採る人は感染防御ができなくて、鼻のスワブというのやる。鼻のスワブのやり方で一番簡単なのはアメリカで一部やられている、自分で採ってきちゃう。それから、それ以外にも、さっき言った賀来先生なんかが尽力されて、平成27年から検査技師でもできる。看護師さんでも検査技師でもやっていい。賀来さんが偉いのはこんな前からこういうことを準備してるんですよ。
それでもう一つはですね、 PCR の機械を持っている大学と研究所を文科省がどんどん閉めている。
升味;コロナのためにですか?
児玉;「コロナのために」と称して、文科省は一番不作為に徹してます。何にもやらないということで、朝から晩まで、やらない・閉じろ・やらない・閉じろ。何かやろうとすると文句を言う。検査やるなんてのはとんでもない。あれは厚生労働省のものです、と。文科省は一切表に立つなというのが、萩生田文部科学大臣がやっているこの間の全ての政策です。
今まで検査機器開発費と言って、予算を山のように取りながら、感染症が起こったとたんに、一つも協力していない。
升味;PCRの検査というのは、今は保健所でやるものだって皆思ってますよね。
児玉;はい。全然違います。採るのは感染防御ができる人が採って、それが、ポチョンってRNAの抽出液に入れちゃえばですね、もう後はウイルス壊しちゃうわけですから、ダタジェンとかフェノーレはいれば、簡単に感染性はなくなります。そうでなければRNAなんて抽出できるわけがない。
金子;あの…大学や研究機関やあるいは民間もそうですけど、たくさん理研とか東大とか〔PCR検査機が〕たくさんあると児玉氏は言っているわけですよ。そこに検査を持ち込んでいけば良いってことですよね?
児玉;やりかたをもうちょっとシステマティックに変えないといけないから、リーダーがいないと無理です。専門家会議にリーダーがいて、きちんとこれを組織〔して〕、どこに機械が何台あるとか、どういうところに人を配置して、機械を動かせる人が何人、どこが感染区域としていいか、どこを非感染区域とするか、ゴミを出すか、検査をやった場合の危険性をどういうふうに教育するかとか、そういう教育機能を急いでやらなくちゃいけないのに、なんにもやってない。
升味;大量に検査しなきゃいけないっていう前提で言うと、 PCR の検査っていうのは、今、保健所だけでやっていて、保健所がすごく苦労してるって言う新聞記事が出てるけれども、本当は機械を持っているのは、もっと日本中の大学や研究所がある。その機械を持っていて、やろうと思えばできますってことですよね。
児玉;病院もわかんないし、さっき言ったプレシジョンメディスン、GPS を用いた追跡もできない。
升味;PCRの検査をするためには検体が必要なわけですが、インフルエンザでやるときみたいに鼻の穴とか喉から採りますよね。ここのところは開業医がやってもいいし、それ以外でも今伺ったら、看護師さんとか検査技師の人が総出で…
児玉;開業医さんのところでそれをやってたらたいへんだから、全く別のところに検査技師さんや看護師さんを中心に、どんどんセンター作ってやればいい。
升味;例えばドライブスルーでもいいし、ウォーキング〔スルー検査〕してもいいわけですし。行列していたら順番に機械的に採取してくれる。採取したものは分解して…
児玉; PCR をやっているところはですね、だいたい Biological Safety の施設の中です。だからPRとかP2とかあって、そういうところですから、そういうところ生かせればいくらでもできる。
升味;どのくらいできる?
児玉;何万とできます。だから日本の必要数はすぐできます。
なんで韓国やドイツであんなに簡単にできて、アメリカも一瞬にして百万検査やっちゃいましたよね。別にアメリカが保健所を急にやったわけではなくて、大学とか色んな所が全部やったということです。
升味;検体を採ってそれを分解するわけだから感染力はなくなっていて…
児玉;それでももちろん、どういう Biological Safety が一番良いかっていうことを。
だから、リーダーがすごく大事で、リーダーが遺伝子工学とか情報科学とか〔に通じている必要がある〕。
もう一つはですね、検体採ったら次にどういうふうにきちんとトレースするかとか。今の日本は厚生省も情報科学がめちゃくちゃでして。
ふつう検査っていうのはですね、何件〔検査を〕やって、何人陽性か、っていう。
ところが今の厚生省の発表するのは、何人集めたかっていう、こんなの意味がないんですよ。たとえば100人分集めたからって、50回検査失敗したならば50件なわけです。もっと酷いのはですね、一つの検体を検査ふつう三回やるんですよ。トリプリケートって。そうすると3倍にして報告している例だってあります。「検査件数」って言えば3倍になりますよね。
統計がですね、何月に何人分の結果がどこで出て、何人陽性だったか、というのが、日本中、厚生省は一つもない。厚生省は情報技術で最下等です。
今まで許認可で威張り散らす以外、何もやってこなかったことがよく判ります。
それで今なすべきことをもっと考えないといけない。どうすれば良いかというと、政治家・官僚・富裕層・大企業・大学がどんどん引き籠りになっている。自分たちは先に良いところへ行ってしまいますよ。
それで、自分で考えて、自分の命を守るという原点に帰らないといけない。これ、非常に悲しいことなんですが、まずこれをやらないといけない。
今、政府が言っているのは、「他の人にうつさないように考えなさい」って言ってるじゃないですか。これは逆です。
飛行機事故の時に最初に言うのは、「あなたの酸素マスクをつけなさい」、「酸素マスクをつけてから周りの人を助けなさい」。
だから今の政府は、この自分たち、政府の人達だけが守られれば良くて、国民は「お前らうつす連中だからうつさないようにせよ」と。何にも対策やんないで、国民のせいだと。この慶応病院の院長がやってるように、研修医が感染したら研修医を非難する、これ病院長として最低です。
次にですね、自分で考えて社会を守れ、一人で社会が守れるか。病院が守られなくて自分が守られるか。食品市場が守らなくて自分が守られるか。それを考えていってリーダーをを選ばないと社会が守られないです。社会全体の仕組みを考えるのには、自分を守ろうとしたらば、社会全体を守ってくれるリーダーを選ばなくてはなくてはいけない。
それでそこで一番問題なのは、今朝も私、テレビ朝日の玉川さんとあの…
升味;スシローさんですね。
児玉;安倍首相と良くご飯を食べている方〔田崎史郎〕が論争してまして。
金子;4月8日ね。
児玉;この数値、たとえば「8割」ってのは根拠はどこにあるのかって言ったら…
升味;8割って何ですか?
児玉;感染を抑制するのに8割抑制すれば良いとか。
升味;接触を…
児玉;どこに根拠があるんですかと〔玉川さんが〕言ったらば、田崎さんが、「尾身さんと…西村さん?がよく話をして」と。それじゃあダメでしょう、専門家会議はやってるんですかって〔玉川さんが〕言ったら、「もちろん専門家会議もやってるけれども」とか〔田崎スシローが〕言ってるんですけれども、「専門家会議の議事録は?」って〔玉川さんが〕言ったら、〔田崎スシローは〕「いや議事録ってのは時間がかかる」。「すぐ出せばいいじゃないか」って〔玉川さんが〕言ったら、〔田崎スシローは〕「2週間かかる」。
なんですかこれは。2週間経ったら、オーバーシュートしてるものが滅んじゃいますよ。
この安倍官邸の酷さ。
だからリーダーというのはなぜ深刻かと言うと、私どもから見るとカルテを預ける人ですよ。感染の。誰が感染してるかっていうとは究極の個人情報じゃないですか。それを預けるという人が、いったいこの誰なのかっていう。もう。この。
専門家が「議事録出たら困るよ」と。
だから感染実験をやってしまった脇田所長だとか、検査制限論を言ってて恥ずかしげもなく出てくる大曲医師のような失敗者が、今、日本のリーダーと称されている。これを変えない限り、オーバーシュートなんて止められるわけがありません。
升味;緊急事態宣言を見ても、国民が行動を変えて、他の人と接触しないようにしましょうという以上のことが何もないですよ。
〔金子の発言略〕
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