『思想地図 vol.1』東浩紀・北田暁大
大手の本屋で平積みになっていたので購入。読了。増田聡さんという大阪市立大学院準教授が「初音ミク」の考察論文を書いていたりする。伊藤剛さんも「マンガのグローバリゼーション」という論文を執筆。いいな、羨ましいな。仲間に入れてほしいな。とか思った。どの論文も質が高くて面白い。
東浩紀・北田暁大・萱野稔人(かやの・としひと)による鼎談「日本論とナショナリズム」で、「ナショナリズム/国家」に関し、東・北田と萱野の意見が対立する。萱野は国家を「暴力の独占装置」と見なす。東・北田は国家を暴力の独占装置と見なさない。私はこの対立図式では萱野に共感する。萱野は「対抗ナショナリズム」を提唱する。「対抗ナショナリズム」=「国家は俺たちもの(公共財)だ、私物化するんじゃねえ」は(限界と危なっかしさはあるが)悪しきナショナリズム(右翼的ナショナリズム・公定ナショナリズムhttp://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060220#1140368017)に対し有効だと私は思う。
石井紘基暗殺の「結末」とか、プチエンジェル事件の「結末」とか、松岡利勝「自殺」とかに着目すると、「国家を暴力独占装置と見なす」のは改めて重要だと思われる。
- 作者: 東浩紀,北田暁大
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2008/04
- メディア: 単行本
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