読書
大江志乃夫『靖国神社』岩波新書靖国神社 (岩波新書)作者: 大江志乃夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1984/03/21メディア: 新書 クリック: 28回この商品を含むブログ (15件) を見る 1 日本では、古くから戦場での死者を敵味方問わずにともに祭る習慣があ…
〔略〕近代の国家システムにあっては、支配権の及ぶ範囲が恒久的に、しかもあからさまに重なっているという事態は、概念そのものからして絶対に許容されない〔略〕。つまり、主権の概念は、アリストテレスのいわゆる排中律に基づいていたのである。(58p) …
池田信夫『電波利権』新潮新書、ただいまたいへん売れているそうです。以下、抜粋。 政府と電波 電波を使っている企業から電波の免許を取り上げたら、その企業はたちまちビジネスができなくなる。政府は文字どおり、電波を使う企業の生殺与奪の権を握ってい…
以下、「読書猿」http://web.kyoto-inet.or.jp/people/hasuda/DOKUSARU.htmlから転載。評者が執筆したのは90年代、まだ日本は豊かだという幻想をほぼ全ての人が抱いていた頃である。本が執筆されたのは79年、世界一景気のいい国として日本が浮かれる直前であ…
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060317#1142532388 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060319#1142713169 の続き。鎌倉仏教―親鸞と道元と日蓮 (中公新書 130)作者: 戸頃重基出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1967/04メディア: 新書この商品を含むブロ…
藤原彰『餓死した英霊たち』は、(やや文章に繰り返しが多いところが気になるが)日本兵士は敵国との戦闘で死亡するよりも自国の「大本営」によって餓死させられたほうが多い、という事実を指摘した本。 以下の一節をまず引用しておく。 軍紀と服従について…
戸頃重基『鎌倉佛教−親鸞・道元・日蓮−』読了。鎌倉仏教―親鸞と道元と日蓮 (中公新書 130)作者: 戸頃重基出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1967/04メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見る読んだのは中公文庫BIBLO版。詳細は後に。 ぽちっとな
宮崎市定の本はただひたすらに知的娯楽として楽しめる。世界史板@2chでは「イッチー」の愛称が作られるほど宮崎市定は愛されている。日本を代表する東洋史学者・宮崎市定は1995年に没したが、死後2chで宮崎市定ブームが自然発生した。私自身が2ch…
塾の卒業生へ以下のものを記念品としてあげた。 歴史の苦手な生徒へ風雲児たち (1) (SPコミックス)作者: みなもと太郎出版社/メーカー: リイド社発売日: 2002/03/28メディア: コミック購入: 7人 クリック: 98回この商品を含むブログ (85件) を見る国語の苦手…
ライブドア野口を殺害した事件を沖縄県警が「自殺」と強弁し、webで現在異議が唱えられている。殺人を「自殺」と警察が断定し隠蔽したケースは過去にけっこうたくさんある。2000年9月の、日本債券信用銀行・本間忠世社長(六〇)殺害も大阪府警によって隠蔽さ…
http://d.hatena.ne.jp/fujiko-m/20060113 たしかに中国の公害に対する規制がゆるすぎなのはそうなんでしょうけど。中国に工場を持っている日本を含む外国系企業ってその規制のゆるさの恩恵を受けたりしてないんですかね。なんかその辺突っ込んでいる記事と…
最も犯罪が少なかった時代は太平洋戦争中である、という話をしばしば聞くが、清沢洌(きよし)『暗黒日記―1942‐1945 (岩波文庫)』の中に、以下の記述があった。 1943(昭和18)年六月一八日(金) 〔略〕近頃、最も増した犯罪は強姦だそうだ。(45p) 日本人…
「童貞問題」記事http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060206#1139178296言説が接続しているようで、そのこと自体は嬉しい。 http://d.hatena.ne.jp/tomoco/20060214 以上より、30〜34歳の女性の性交未経験率=0.264x0.372=0.098 つーことで、処女は10人に1…
山田朗(あきら)『歴史修正主義の克服』から。 天皇が、大日本帝国の元首として、帝国陸海軍の大元帥として国家意思形成にどのようにかかわったのか。とりわけ、天皇の戦争にたいする主体的取り組みを明らかにする研究はすでに相当の蓄積がある。〔略〕 こ…
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060123#1137988243《「一斉入試」という、日本特有(東アジア特有)の因習》の続き2つめ。 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/archive/news/2006/02/20060202ddlk45040476000c.html 大学進学調査:家計負担…
入試と科挙 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060123#1137988243《「一斉入試」という、日本特有(東アジア特有)の因習》の続き。 「入試制度」自体が「科挙」の伝統を引いた日本特有(東アジア特有)の因習だ、ということは、鶴見俊輔の『戦時期日本の精神…
ルワンダはフツ族とツチ族による虐殺が1994年に起きたことで知られた地域だ。『文明崩壊』にルワンダ虐殺の経緯が詳しく書かれているが、その中でたいへんに興味深い記述があった。 ルワンダは現在も農耕社会だ。人口密度は高いが、農耕技術は未熟で、各人の…
『「ニート」って言うな!』読了。たいへん良書。感想よりも適切な要約を各自行うことが大事な本かな、と思う。でもサラリと感想を。 「ニート」は実在しない。実在するのは、若年失業者と、若年を恐怖する未熟な年配者と、恐怖を(意図を持って?)煽る人々…
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060102#1136210587 の続き。小泉純一郎と日本の病理 Koizumi's Zombie Politics (光文社ペーパーバックス)作者: 藤原肇出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/10/21メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 69回この商品を含む…
藤原肇がどの程度信用できるのか判らないけど、『小泉純一郎と日本の病理』を読了したので、いくつか引用してみる。小見出しはカマヤン作成。小泉純一郎と日本の病理 Koizumi's Zombie Politics (光文社ペーパーバックス)作者: 藤原肇出版社/メーカー: 光文…
レッサーパンダが直立したり、アザラシの「たまちゃん」を報道洪水したりする時は、他の、極めて深刻な事柄が進行している時で、おそらくニュースの差し替え用に動物ネタニュースが流れるのだろう、と思う。 さて、1934年に清沢洌(きよし)は以下の文を書い…
安田講堂 1968‐1969 (中公新書)作者: 島泰三出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2005/11メディア: 新書購入: 2人 クリック: 30回この商品を含むブログ (52件) を見る高級なウィスキーを飲むような読後感の本だ。読んでいる間より、本を閉じて内容を反芻す…
南京事件―「虐殺」の構造 (中公新書)作者: 秦郁彦出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1986/02メディア: 新書購入: 1人 クリック: 67回この商品を含むブログ (11件) を見る秦郁彦『南京事件』(中公新書、1986年)は案外良書だ。 注目すべき記述は多々あるが…
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20051213#1134465761 の続き。洗脳原論作者: 苫米地英人出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2000/02/15メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 55回この商品を含むブログ (41件) を見る 洗脳の段階 脳内で起こる具体的な洗脳のメ…
ご臨終メディア―質問しないマスコミと一人で考えない日本人 (集英社新書)作者: 森達也,森巣博出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/10メディア: 新書 クリック: 155回この商品を含むブログ (134件) を見る森達也&森巣博『ご臨終メディア』から以下抜粋。 森…
戦前戦中最高のリベラリスト清沢洌(きよし)の創作、「甘粕と大杉の対話」『清沢洌評論集』から。 大杉栄と大杉の妻子を殺害した甘粕正彦大尉は小菅刑務所で瞑想している。そこに大杉栄の亡霊が登場する。 大杉 俺は君〔甘粕〕たちの頭脳をコンバートメント…
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20051212#1134377807 の続き。洗脳原論作者: 苫米地英人出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2000/02/15メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 55回この商品を含むブログ (41件) を見る 洗脳の本質 洗脳とは、われわれの神経レベ…
部屋の中に埋もれていた『洗脳原論』をようやっと発掘できた。大急ぎで再読した。洗脳原論作者: 苫米地英人出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2000/02/15メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 55回この商品を含むブログ (41件) を見る以下、抜粋引用する。 第…
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/1274/1044564957/l50 日本の知識人へ作者: カレル・ヴァンウォルフレン,Karel van Wolferen,西岡公,中村保男,篠原勝出版社/メーカー: 窓社発売日: 1995/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 「…
下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)作者: 三浦展出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/09/20メディア: 新書購入: 2人 クリック: 125回この商品を含むブログ (663件) を見る『下流社会』を読み終えた。読んでいる間は面白かった。学術的深みはない。…