カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

読書

メディアは戦争にどう関わってきたか

メディアは戦争にどうかかわってきたか 日露戦争から対テロ戦争まで (朝日選書(778))作者: 木下和寛出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2005/06/10メディア: 単行本 クリック: 18回この商品を含むブログ (14件) を見るたいへんに良書である。 ポーランドの…

『チョムスキー、民意と人権を語る』

『チョムスキー、民意と人権を語る』読了。 チョムスキー、民意と人権を語る―レイコ突撃インタビュー (集英社新書)作者: ノームチョムスキー,Noam Chomsky,鈴木主税出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/11メディア: 新書 クリック: 17回この商品を含むブロ…

「丸山眞男の時代」書評

http://d.hatena.ne.jp/yasulog/20051204 竹内洋「丸山眞男の時代―大学・知識人・ジャーナリズム」を語るのに、ウルトラ怪獣図鑑から説き起こしている語り口が面白いなあ、と思いました。 「怪獣図鑑」といえば、(ウルトラ…ではないけど)皇太子が初めて購…

最近読んだ本

最近読んだ本想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (ネットワークの社会科学シリーズ)作者: ベネディクトアンダーソン,Benedict Anderson,白石さや,白石隆出版社/メーカー: NTT出版発売日: 1997/05メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 149回この商品を…

『出家日記』読了

出家日記―ある「おたく」の生涯作者: 蛭児神建(元),吾妻ひでお出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/11/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 17回この商品を含むブログ (20件) を見る切ない本だ。 巻末近くに私の名前が出てきて驚く。http://www.din.or…

さよなら僕らの偉大なお父様、マッカーサー元帥

http://www.geocities.jp/abe_netsuzo21/tennoh.html マッカーサーを靖国神社に合祀せよ! これ↑読んで思い出したけど、マッカーサーの銅像を東京湾に立てようという話があったんだよね。日本現代史にはマンガ以上にマンガ的な事柄がごろごろしているのだが、…

「天皇聖断」伝説

以下は、2004年01月21日に書いたレポートを元に構成。寺崎英成、マリコ・テラサキ・ミラー編『昭和天皇独白禄』(文春文庫、1995)八月九日深夜の最高戦争指導会議〜結論(146-156頁)*1の精読である。「天皇聖断」伝説を考察することを意図としてここに記す…

杉浦重剛

H・ビックス『昭和天皇』(講談社、2002年)「第二章 天皇に育てる(59〜77頁)」*1の精読をしているとき、以下のメモを書いた。 2003/05/12 (月) 〔ネット右翼たち、「宗教右翼」たちが依拠する〕「神話」を作った野郎は、杉浦重剛。 インテリは丸山真男を…

『キリンヤガ』

以下、1999年1月8日に書いた文だけど、一部文章を手直しして転載する。 http://www.din.or.jp/~kamayan/nikki/nikki12.htm 『キリンヤガ』(マイク・レズニック著、早川文庫)*1 「SFというジャンルにとどまらず、すべての本好きに読んでもらいたい作品…

お勧めのものをいくつか

某掲示板に投稿しようと思ったけど連投規制に引っかかったので、ここに保存しておく。 物語系 『カムイ伝』『カムイ外伝』白土三平 70年代左翼のバイブル。でも作中繰り返し言及される内ゲバの不毛さを70年代左翼は乗り越えられなかった。白土三平の父親…

無責任一大戦争

保坂正康『あの戦争は何だったのか』(新潮新書、2005年)読了。 あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書 (新潮新書)作者: 保阪正康出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/07メディア: 新書 クリック: 31回この商品を含むブログ (147件) を見る 読み…

警察天下り先としての武富士

以下、書評の引用。武富士対山口組―激突する二つの「最強組織」作者: 木村勝美出版社/メーカー: イーストプレス発売日: 2003/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 66回この商品を含むブログ (4件) を見る について。 http://miyajee.e-city.tv/takefujita…

満州帝国から日本が得た権益は、経済的にはゴミ同然。

清沢洌(きよし)の記事によると、満州は経済的にはゴミみたいな利益しか日本に与えず、日本が国家的博打を打つ必然なんかかけらもなかったそうだ。清沢洌評論集 (岩波文庫)作者: 清沢洌,山本義彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2002/09/18メディア: 文庫…

津久井龍雄

『日本の右翼』から、以下抜粋。 「国士の風格を持った右翼人」と評されていた津久井龍雄が、平成元年九月九日朝、心筋梗塞のため〔略〕亡くなった。〔略〕 〔津久井龍雄の著作〕『右翼開眼』は、右翼人として最初に中国を視察したときの率直な感想をまとめ…

女帝とか皇嗣断絶とか。

倭王すなわち天皇家は、中華王朝に朝貢し中華王朝から官位をもらうことで、日本での支配権を正統化した。 雄略天皇(21代)は南朝宋から「鎮東大将軍」の称号を受ける。 武烈天皇(25代)は南朝梁から「征東将軍」に任命されている。 武烈天皇には子供が…

『忠誠と反逆』

丸山真男『忠誠と反逆』*1再読中。初めて読んだときは知恵熱が出て、脳味噌が疲れ果てて数ページ読むたびに疲労して眠りこけた。今回は知恵熱は出ないで脳味噌も疲れ果てないで眠らずに読めている。 *1:忠誠と反逆―転形期日本の精神史的位相 (ちくま学芸文庫…

「がきデカ民主主義」

鶴見俊輔はマンガ批評家でもあって、いいマンガ批評文をけっこう書いている。 「がきデカ民主主義」という有名な提言もしている。 小熊〔英二〕 〔略〕七〇年代に、鶴見さんは漫画の『がきデカ*1』を評価なさって、「がきデカ民主主義」ということをおっしゃ…

冷戦後の、外務省の三大グループ

色んなブログで話題になっている『国家の罠』より。 ここで、外務省の基本的な外交スタンスとその組織の実態についても言及しておくことにする。 一般に日本外交は対米追従で、外務省には親米派しかいないという論評がなされている。この論評は、半分はずれ…

サイトウタカオという反骨

サイトウタカオという名の有名人は、私の知る限り三人いる。三人に共通するのは、名前のほかに、おそらくは反骨の精神である。 一人は、『ゴルゴ13』の作者、劇画家の「さいとう・たかを」。 一人は、軍部による統制政治に対し、言論で異議を表明した代議士…

吉田裕『日本人の戦争観』読み始める。

吉田裕『日本人の戦争観』*1読み始める。 *1:日本人の戦争観―戦後史のなかの変容 (岩波現代文庫)作者: 吉田裕出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/02/16メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (22件) を見る

神一行『警察官僚』読了。

神一行『警察官僚』*1読了。読書力はだいぶ回復したようだ。(…のわりに塾講義のテキスト読むのはえらくしんどいけど。閑話休題。) 警察官僚の「政治派」「独立派」の流れはなんとなく判った。中曽根康弘・安倍晋太郎・城内康光、といったあたりが肝かな。…

日欧同盟論

K・V・ウォルフレン『世界が日本を認める日』*1、まだ読んでいる途中なのだけど、この中でウォルフレンは日欧同盟を薦めている。私も日欧同盟が一番「現実的な選択」だと思う。 欧州との同盟となると、どうしても日独伊三国同盟を連想してしまいがちなもの…

吾妻ひでお『失踪日記』

吾妻ひでお『失踪日記』購入、読了。失踪日記作者: 吾妻ひでお出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2005/03/01メディア: コミック購入: 28人 クリック: 293回この商品を含むブログ (1146件) を見る

フルフォードについて、先日、ずいぶん辛辣なこと書いたけど

フルフォードについて、先日、ずいぶん辛辣なこと書いたけど、『日本マスコミ「臆病」の構造』*1の桃源社社長・佐佐木吉之助インタビュー(「住専」の章)はわりと面白かった。以下、一部抜粋。 佐佐木 経済と言うのはね、結局法律によって最後の決着を見る…

ベンジャミン・フルフォード

ベンジャミン・フルフォードの『日本マスコミ〈臆病〉の構造』*1読んでいる途中なのだけど。フルフォードの本は、1冊目『日本がアルゼンチンタンゴを踊る日』*2と2冊目『ヤクザ・リセッション』*3は文句なく面白かったが、三冊目『泥棒国家の完成』*4から…

『タテ社会の人間関係』

〔略〕派閥集団を形成している政治家は、自分たちだけで他の派閥内のことがよくわからず、政治記者が他の派閥の情報提供者であったりする。学者や知識人は〔略〕第三者や他のグループとは同じ分野の専門でありながら、さっぱり意思が疎通せず、ディスカッシ…

代表議会制のルーツ

代表議会制のルーツ http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/1274/1025577785/71-72 中世欧州の代表議会政治の発展 2つのルーツ 1;教会法の定め 司教は、司教座のある教会の聖職者たちによって選挙されなくてはならない、と、教会法で定められていた…

『タテ社会の人間関係』― 「田舎っペ」

〔略〕前述した枠による集団の構成のあり方からは、およそ社交性というものを育てる場がない〔略〕。 すなわち、社交性とは、いろいろ異なる個々人に接した場合、如才なく振舞いうることであるが、一体感を目標としている集団内部にあっては、個人は同じ鋳型…

タテ社会の人間関係――「ウチ」と「ヨソ」

〔日本では、社員の立場は〕ちょうど、嫁いできた日本の嫁の立場に似ている。 農村の封鎖性ということはしばしばいわれてきたのであるが、〔略〕都市における企業体を社会集団としてみると、基本的な人間関係のあり方、集団の質が非常に〔農村に〕似ているこ…

歴史教育

鶴見 〔十五年戦争で〕自分たち〔日本軍・日本政府〕がやったことは全部よかったんだという教科書で訓練された商社マンが、韓国、香港、シンガポールに行って通用しやしないですよ。〔略〕 シンガポール虐殺〔原注〕は、戦闘が終わり、かなりたって、平和の…